ひたちなか海浜鉄道湊線で国営ひたちなか海浜公園へ(11/22)2008年11月22日 23:59

ギャラリーとして整備されたケハ601
 浅い眠りから覚めて、出発の準備。未だ昨日の酒が少し残った状態。

 今日は国営ひたちなか海浜公園での会社の親睦会。事前に調べておくつもりだった、家から1km近く離れた国道118号のバス停を通る茨城交通の大宮営業所発・瓜連・水戸駅行きのバスの時刻が判らず、仕方が無いので隣に住む父に、勝田駅まで送ってもらった。
 家の最寄のバス停を通る茨城交通の路線は、水戸駅行きが日に1本のみとなったのに輪をかけて、そのたった1本のバスが土日祭日運休ということになってしまい全く使い物にならない。

 親睦会のために職場の前と勝田駅西口と寮・社宅の有る地区を経由してひたちなか海浜公園へ向かう専用バスが運行されるのだが、それに乗るのではヒネリが無いし(無理してヒネる必要があるのかと聞かれると困るのだが)、調べてみたら、ひたちなか海浜鉄道湊線の勝田発0845の列車に乗ると、阿字ヶ浦駅で、ひたちなか市が茨城交通に運行を委託している『あおぞらバス(100円バス)』が接続しており、海浜公園の現地集合時間に間に合いそうだという事が判った。せっかくなので使ってみようということである。

 先ずは勝田駅のJRの有人改札で『湊線の一日乗車券を買いたい』と申告したところ「湊線ホームの中間改札で購入してください」とのことで、JRの改札を通してくれた。エスカレータで1・2番線のホームに降り、1番線入口の中間改札で申告し、一日乗車券(800円)を発券してもらう。帰りも湊線を利用するつもりなので、片道570円の阿字ヶ浦まで行くと単純往復だけで340円もお得ということになる。

 車両はキハ3710-01。ひたちなか海浜鉄道のホームページ( http://www.hitachinaka-rail.co.jp/ )の記載では今日は新型車のみの運用とのこと。
 勝田からの乗車は15名ほど、日工前では動きが無く、金上では乗客の入れ替わりがあった。中根で下車客が居たのにはちょっとびっくり。中根駅には友部軌道のワゴン車が停まっており、踏切付近の線路敷きの除草作業中。
 那珂湊では10名ほどが下車。殿山では下車客があり、平磯では観光客と思えるご夫婦の乗車客があった。磯崎でも下車があり、終点阿字ヶ浦での下車は5人。
 阿字ヶ浦入駅時に駅舎の方を見ると、いつもはひっそりとしていて人気の無いはずの駅前になにやら人だかりができている。不思議に思いながら一日乗車券を運転士さんに提示して下車し、改札を抜けると、何故かそこには『ひたちなか海浜鉄道』の社長さんと、『おらが湊鉄道応援団』の団長さんと事務局長さん。とりあえず顔を覚えていただけているので会釈を交わす。お話しを訊いてみると桜の木の植樹のイベントが終わったところだそうで、なるほど見回せばスコップを担いだ方もいらっしゃった。折り返しの列車で磯崎に向かわれてそこでも植樹とのこと。
 社長さんは磯崎から乗車したご年配のご夫婦に『ひたちなか海浜公園』へのバス連絡の案内と降りるバス停の案内などを大変丁寧にしていらっしゃった。

 あおぞらバスだが、いつも4~5分遅れて来るようですとの社長さんの言葉通り、だいたいそのくらい遅れて来た。実は海浜公園中央口への集合時間が0930で、あおぞらバスは南口と西口にしか寄らないので、0922に南口で降りて中央口までの約800m程を8分で歩こうという全く余裕の無い計画を立てており、『こりゃあ遅刻だな』と腹をくくる。
 バスの車内は阿字ヶ浦駅から3人が乗り込み、ご年配のご夫婦が着席されるとほぼシートに空きが無い程度に乗車があった。
 席に空きが無い訳では無いのだけれど、せっかく一日乗車券があるのだし、帰りは撮りにまわろうかとか考えていたので、ニコンの24-70F2.8を付けたD3、とVR18-200を付けたS5Proに、ニコンの14-24F2.8、シグマの70-200F2.8と150-500OSという結構な大荷物を背負ってきており、これを抱えて人と人の間に尻を割り込ませるのもどうかと思い、どうせ下車は一番先になるだろうと前部降車ドアの前で立って行く事にする。
 車内を見回すが、低床にするための無理がかなり見受けられる構造で、前輪があるため運転席の左側は完全なデットスペースになってしまっている。後部もエンジンを収納するため雛段の様になっており、車のサイズと比較して座席定員がかなり少ない印象を受ける。想像していたよりも乗車率が高いのでなおさらなのかも知れないが。

 バスは阿字ヶ浦の踏切を渡り、次の信号を右折して阿字ヶ浦海岸へ下り坂を降りていく。眼前には太平洋が広がる。朝日を浴びて輝く穏やかな海は印象的だ。しかし、阿字ヶ浦の景色もひたちなか港の建設で大きく変わってしまった。遠浅の広大な砂浜が魅力だった阿字ヶ浦だったが、ひたちなか港の建設と河川の砂防工事等で久慈川・那珂川からの砂の供給に変化を生じたらしく、近年大幅に海岸線が後退し、砂浜が浸食され見る影も無くなってしまった。現在対策がとられつつあるが、効果の程は長いスパンで見てみないと判断できないだろう。自然を御すことなど所詮人間には出来ないのだということを実感させられる。

 坂を下りきった信号を左折して阿字ヶ浦の海岸線を北上し、次の信号で左折して片側二車線の広い道路の坂を上り、また海岸段丘の上に戻る。もう道路の右側は国営ひたちなか海浜公園の敷地である。

 降車ボタンを押して海浜公園南口で下車。時間を確認すると0929。そこからダッシュで中央口へ向かう。広大な駐車場の中の歩道を早歩きしていると遠くに会社のロゴの入った通勤バスが走って来るのが見えた。ラッキーなことにむこうも遅れているらしい。結果としてバス乗車組みの面々が到着する前に中央口の集合場所に到着。やれやれである。

 バークゴルフでのコンペの後、バーベキューガーデンでのバーベキューで昼食&呑み会というのが今回の親睦会の流れ、スタッフの我々はパークゴルフには参加せず、総務が準備したワゴン車で物資とともに海浜口から再入場してバーベキューの火起こしと食材・飲料の準備が仕事。ゴルフを終えて移動してくる参加者が着いたら直ぐにバーベキューを始められるように準備をするわけである。ちなみにかまどや鉄板は備え付けの物があり、炭も現地で買えるので、材料さえあれば他はほとんど手ぶらでバーベキューが出来るようになっている。60人程は楽に座れる大屋根付きのスペースを今回は利用した。鉄板が都合24枚並ぶかなり大掛かりなものだ。炭は持ち込みの方がコスト的に良いので大量に持ち込む。かまど1スペースに1台づつゲートでリヤカーを貸してくれるので、駐車場でリヤカーに材料・飲料・燃料等を積み込み、車列を作ってバーベキューガーデンに向かう。

 煤まみれになった以外には特に大過なく準備を終え、食材もなんとか間に合って、一息ついた所で、前の部署では「先にはじめてますか」という意味の慣用句だったはずの『じゃあ予備励磁かけときますか』と言ったら、他のスタッフには全然通じなかった。そうだよなぁ今はVVVFだもんなぁ。直流電動機の予備励磁なんて通じないよなぁ。自分の人間の古さを感じて遠い目になってしまう。

 とりあえず、チューハイの缶を一つ開けたところで最初にホールアウトした組がやってきた。その後は次々にやってくる参加者にビールやつまみ等を次々に手渡し結構忙しくなる。参加者全員が揃ったところで乾杯。これでスタッフワークから一旦開放されこちらもバーベキューに舌鼓をうつ。ここのところ、食費圧縮と眠気対策とカロリーコントロールのため、昼は抜きで、朝のシリアル&リポDと夜のヨーグルト&野菜ジュースのみという食生活(ミネラル・ビタミン類はサプリメントで補完)をしているので、ちゃんとした肉は久しぶりな感じがする。

 パークゴルフの表彰式に続いて三本締めで親睦会は終了。その後片付けにかかる。鉄板の洗浄、かまどの火の始末と灰掃除等を終えて、荷物を再びリヤカーに積み込み海浜口まで戻る。荷物をワゴン車に積み込んでスタッフとしての仕事は終了。予定よりも時間がかかっていることにこの時は気がつかなかった。海浜口を出る時にもらっていた再入場用の入場券で再度入場し、公園内を歩いて南口へと向かう。南口では茨城交通の勝田駅方面行きが停車中。とりあえずバス停に近づいていくといきなりドアが閉まって発車。時刻表と時計を見たら1分ほど早発気味。
 まぁもともと茨城交通のバスには乗るつもりが無かったので構わないのだが、バス停に近づいてくる人が注意していれば見えるところに居るのにそれを確認もせず発車してしまうのはどうかと思う。待てば乗ったかも知れない客を逃しているように思える。そういう所を意識改革していかないと茨城交通は今の窮状から抜け出せないのではないだろうか。会社全体から『使ってもらえるバスになろう』という意欲がどうも感じられないのは気のせいなのだろうか。

 阿字ヶ浦へ向かう『あおぞらバス』は適当な時間のものが無かったので、南口から出て阿字ヶ浦駅へ約2km強をてくてくと歩き出す。もともと学生時代から自家用車やバイクでしょっちゅう通っていたエリアで土地勘はあるので特に問題もなく阿字ヶ浦駅に到着。駅で時刻表を確認すると列車は5分ほど前に出たところで、次の列車は約35分後の1523発。
 阿字ヶ浦に留置中のキハ201とキハ221は変わらず。両方ともかなり可哀想な状態であるのは確か。光線状態が良い時期と時間なので、とりあえずカメラを取り出し、撮影しはじめる。
 1507定刻でキハ37100-03が入線。とりあえず、入線を撮ってから踏切を渡り反対側の路地から順光で焦点距離を変えながら撮影。陽の低いこの時期はコンクリートの給水塔の影が車体後部に落ちてしまうのが難点。
 一通りの撮影の後、発車時間も近づいてきたので乗車する。キハ37100-03に乗るのは初めてでは無いが、じっくりと車内を見回してみると、やはり型式が異なるだけあって、細かい所でキハ3710-01・02と異なる箇所がある。各客室ドアに手動開閉用のスイッチ(ボタン)が付いていること(車体の外側に開ボタン・内側には開/閉の二つのボタン)に恥ずかしながら今回初めて気がついた。これからの寒い時期には有り難い装備だが、これは実際に使っているのだろうか?他の新型車2両には無い装備なので混乱を避けて使用していないことも考えられるのだが。

 定刻に発車し、小春日和の中を那珂湊へ向かう。きもちが良くて那珂湊手前でうとうとしてしまい。那珂湊停車のドア開で目が覚め、あわてて降りる。一日乗車券を提示して下車。
 『おらが湊鉄道応援団』のブースでは、スタッフの方が観光客の案内に忙しそう。
 ギャラリーとして整備されたケハ601の方へ行く途中、ちょこちょこといつもの風景をスナップしながら歩く。モルタルの黄色い壁の日本通運の営業所と荷受所の佇まいはいつもながらフォトジェニックだ。何度も撮っているのに前を通るとまたカメラを向けてしまう。那珂湊の駅舎や木造車庫、ホームの大屋根もそうだが、できることならずっと残してほしい建築物である。中線のケキ102やモーターカー、側線のホキや97式軽貨車、本線越しに留置中のキハ202~4やケハ601の遠景等をスナップしながら、駅の西側の踏切を渡り、ケハ601へ向かう。
 ケハ601は来るたびにあちこち手が入れられている。ヘッドライトと尾灯の開口部には車体色に合わせた銀色の塞ぎ板が取り付けられ、一部残っているロングシートのモケットはビニールレザーに張り替えられている。今回も運転台でなにやら作業中の様子。

 さて、キハではなくケハである。キハの『キ』は『気動車』又は『揮発油(ガソリン)』の『キ』、『ケ』は・・・『軽油(ディーゼル)』の『ケ』なのである。ケキは『軽油(ディーゼル)』の『機関車』ということなのであろう。ちなみにキハ601だと、うちの会で保存している鹿島鉄道の車両になってしまう(笑)。601繋がりでNikonのF-601でも中古で買ってしまおうか(笑)。
 ケハ601の導入あたりまでは茨城交通のディーゼル動車は『ケハ』を名乗っていたが、この後1970年ごろに続々と転入してきた北海道の炭鉱鉄道の車両8両がみな、『キハ』を名乗っており、導入にあたって車番の変更をせずにそのままとしたことから、茨城交通は『ケハ』が一気に少数派となった。更に国鉄からキハ11を3両転入させた際には、形式は改めること無く、番号順にキハ111~3とし、この時点で『ケハ601』は『ケハ』を名乗る最後の存在となっていた。これは鹿島臨海鉄道から2001~2004の譲渡を受けた際にもキハ201~4として踏襲された(但し末尾の番号は両社で合致していない)。
 そして、ケハ601以来の新造車両となったキハ3710-01が『キハ』を名乗ったことで、茨城交通の『ケ』の歴史には決定的なピリオドが打たれることになる。頑なに全部『ケ』で通していたらそれはそれで面白かっただろうとは思うのだが、この辺は細かいことに余り頓着しない湊線のおおらかさが良くでている事例の様な気がしている。

 もう店仕舞いの頃合のケハ601の車内では、応援団の団長さんをはじめ、数名の方々が作業中。とりあえず挨拶をした後、来訪者名簿に記名する。しばらく雑談をしていると、ひたちなか海浜鉄道の社長さんが自転車で登場。どうやら様子を見にいらっしゃった様だったが、休日返上で朝から本当にまめなことで頭をさげるしかない。

 しばらくして作業も一段落がついた様で、ケハ601の戸締りを眺めて駅の北側の路地を駅の東側の踏切へと向かう。
 途中、線路脇に扉こそシャッターになって趣を多少損ねてはいるもののレンガ造りで紅葉した蔦を纏った倉庫があるので、これもスナップ。

 駅に戻り、レンズを広角の14-24に付け替え、待合室の様子やホームの様子等をちょっと強引な画角で撮影。1番線に入線して来たのは那珂湊発1646のキハ37100-03、撮影後乗車する。

 勝田入駅直前に眼前を勝田発1658の常磐線の上り列車が通過する。こちらの勝田着は1700。タッチの差で接続していないようだ。次の列車は15分後の1715発の水戸行き。とりあえず一度一日乗車券でJRの改札を出て、モバイルSuicaで入りなおす。再び1・2番線に降りて、1番線停車中のキハ37100-03を数カット撮影。1510着の列車を待って乗車。415系1500番台の4両編成が8両停目で停車し、仙台方に4両編成を増結して1515に発車。
 水戸の到着番線は下りホームの3番線。
 改札を抜け、そのまま駅ビルのEXCEL5階の川又書店に行き、昨日発売だった鉄道雑誌をまとめ買い(『鉄道ビクトリアル』『鉄道ファン』『鉄道ジャーナル』『とれいん』『RailMagazine』『JR時刻表』『日本鉄道旅行地図帳』)。その後、カメラ・航空関連の雑誌の内容チェック。
 その後水戸発1845の茨城交通の瓜連・大宮営業所行き最終バスに乗車し、家から1kmほど離れた118号国道上のバス停で下車し、そこから徒歩で帰宅。

 なんやかやで結構歩いた一日だった。

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